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風のおとしもの

詩・村瀬保子 曲・駒井 肇

【原詩】
きのう
砂丘に
きっぱりとうずめた
風の思い

けさ
もう一度だけ 確かめたくて
きのうの道を辿っている

風紋にこころをかさね
一枚一枚めくってみても
きのうの自分は
みつからない

風が
落としものを探して
砂丘をさまよっている

詩人コメント
風に擬人を託してみました。私は決断力が甘いので、時にこういうことになります。

作曲家コメント
風が描く砂丘のさまざまな文様は、風の思いを表しています。しかし、詩人の思いは、砂に埋もれた場所にひっそりと存在しています。風の思いと詩人の思い、この二つをピアノの重い和音と動きのある中間部によって対比させました。

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