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ふるさとへ

詩/下田喜久美 曲/楠田陽子
歌/田邉織恵 ピアノ/田中紀子

旅が長くなって
ようやく帰ってきました

冬薔薇の庭におりたち
赤い蕾の花の香りをかぐ

私を包みこむ優しさにしばらく漂い
涙をぬぐう

棘の痛さを知ってしまったあの日
どうか触れないでそっと抱きしめてください

故郷は悲しいことと
やさしいことにあふれている

詩人コメント
 全てのスタートである我が家は、火の鳥の埋れ火の中でもあります。母なる揺籃から、明日が立ち上ります。

作曲家コメント
 ふるさとへ帰ってきた時、心を撫でるであろう風のようなイメージを音楽にしました。ピアノで演奏する右手の音をフルートに変えて演奏することも可能で、ごく細い糸のようなフレーズが歌と絡み合う構成になっています。

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