詩/村瀬保子 曲/冨田万理子 歌/田邉織恵 ピアノ/田中紀子
心が少し窮屈になると 私は 四角い漢字の自分の名まえを ストレッチをしながら 分解してゆく ~ 木・寸・シ・束・頁・イ・呆・子 ~ ほどいたパーツは 尾ビレをつけ 青い空へと舞い上がる 雲につかまり 雲になるもの 鳥の背に乗り 鳥になるもの 眺める下 ま 界ち のちいささ 空の広さ 酸素をたっぷり吸った「私」は いつのまにか ひらがなになり ゆうらり ゆらり ゆうらり ゆらり みどりの野原に 無事帰還 ああ もう少し このままで
詩人コメント 四角い自分の名前を眺めていた時、窮屈そうだなと思いました。漢字を分解して、酸素の中を泳がせたら、ひらがなになれるのではと……。付曲してくださる場合は「~木・寸・シ・束・頁・イ・呆・子~」の箇所は、カットでもご自由に扱ってくださいませ。
作曲家コメント 同じ言葉でも漢字とひらがなで書いた時に持つそれぞれの言葉に含まれるメッセージが、微妙に変わってくることがあります。それぞれのイメージの使い分けが伝わればいいなと思って作曲しました。