詩・村瀬保子 曲・金井秋彦
【原詩】 窓のむこうに しんしんと降る雪は 目の前の景色を つつみ消してゆく きのう おとといの時間も つつみおおってゆく
雪と雪のすきまに 見えかくれするものは いつしか なつかしい人の面影に
小雪の中で 自分のコートを半分ひろげ 待っていてくれたシルエット(ひと)
白いキャンバスに ひたひたと押しよせてくる思い わたしは じっと 雪のむこう側を感じている
詩人コメント この冬、雪が一とき、強く降りしきった日の午後に…。
作曲家コメント 雪がしんしんと降るその静寂さのなかで、わたしの思いは過去へと遡り、懐かしい人の面影と対峙している…。雪の静寂さと懐かしい人へのわたしの思いの熱さとのコントラストが印象的な詩です。その詩の世界を音世界で表現してみたいと感じました。