ここで すきなだけ呼吸したい
水のように吸い上げて
木は すっかりかるくしてくれる
からだの奥底まで
いつまでも のしかかっていた
にがいおもさは
葉っぱと 土の
やわらかいいのちのなかに とけこんで
金剛山寺に入ると どこまで行っても
あじさいの花が こちらを見ている
ひとつひとつが 星なのか
宇宙の目なのか
それとも
地蔵菩薩の分身が
花びらにのって
どこまでも 飛んでいくのだろうか
時間の層が
いくつも いくつも 横たわって
自分の時間も おり重なり
宙に うかんでいる