あなたは誰かしら
みんな寝静まった真夜中
満天の星座が
天井であるような
大きな図書館で
誰かしら?
星の数ほどある本の中で
もっとも慎ましい一冊の本を
見つけた あなた
誰かしら?
わたしの
楽しかったページも
悲しかったページも
ていねいに辿る
暖かな指の あなた
誰かしら
満天の星座の図書館で
この世のはじめから
まだ書かれていないページまで
ただひとり読んでいる あなた
あなたは誰かしら
詩人コメント
「はじめに言葉ありき」ではありませんが、すべては言葉からできているように思われることがあります。だとすれば、一人の人生は一冊の本でしょう。世界はそれらを収める壮大な図書館に譬えることができます。私の他に私を読んでくれている人はいるのでしょうか? そんなことを書いてみました。
作曲家コメント
「神は全ての人の、その髪の毛一本まで熟知されている」と聖書にあるように、我々の人生は偶然の連続ではなく、既に大天空で書かれた歴史の小さな1ページを歩んでいるのかも知れません。でもその中で精一杯努力するのが人間の生き方なのでしょう。