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空の駅

詩/尾崎まこと 曲/川合清裕
歌/奥村哲 ピアノ/園田文子

ひとは
空から
投げ入れられた独楽だろうか
突然、荒ぶることがある
シンと静まりかえることがある
だから こころは…
皮膚が抱える
もうひとつの自然
蒔くにしろ 植えるにしろ
刈り入れるにしろ
その時を
ひとは待っている
あるときは雨を
あるときは光を
風さえも 嵐さえも
ずっと ずっと
待っているものを
わたしのこころ
と呼ぶのだろうか
だから こころは…
水色の空の駅
果てしなく
待っているものがいる
空の駅で
虹より大きなものが
あなたを 待っている
ずっと ずっと

詩人コメント
何か誰かを、ということでもなく、「待っていると」いう行為が僕の心を作ってきたように思います。そのせいでもないでしょうが、僕は人を待つのが好きです。待っている間、「空の駅」のベンチに座り、ことばと遊んでいます。

作曲家コメント
「水色の空の駅」という、詩情あふれる美しい言葉に魅力を感じ、この言葉をインスピレーションの中心に据えながら曲を構成してゆきました。音楽は様々な場面を経て、最後、水色の澄んだ響きが空間に溶けてゆくように終わります。

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