詩/中村多津子 曲/駒井肇 歌/田邉織恵 ピアノ/松永昌子
寒い寒い朝
一人小川のほとりを歩く
枯れた草の匂いが
ただようだけの狭い道
時々 木漏れ日が
水の流れに写る
こぶしを振り上げた
私の影も写す
どこからか
やってきた水鳥の
澄んだ声が
流れにとけ込む
いつしか私の心も包み込んで
しずかに流れていった
詩人コメント 暖かい日差しが降り注いでいるのに心だけが寒々としている。そんな時は自然の中をあてもなく歩き回るのが一番好きです。
作曲家コメント 詩は荒涼としたモノクロームの世界を思わせますが、その中にも木漏れ日が差し、一瞬の温もりが感じられます。曲は、寒い道を歩きながら語りかけるような旋律で始まり、その後、中間部は少しテンポを上げ、動きを持った部分が続き、それが終わるとまた最初の部分が復帰します。