詩/野呂昶 曲/北川文雄 歌/喜多美幸 ピアノ/高木洋子
いつも みみをかたむけていて そらに ちらばるおとを すくいとる みずのように はなから はへ くきから ねへ
おとを すまし おとを ふくらませ
ゆうぐれ うたのうえに うかんで さいている
詩人コメント 草花の詩を書くとき、私は対象となる草花の背たけによりそって、そっと草花の語る言葉を聞くようつとめています。草花の言葉は、生命そのもの。全身で生命のよろこびをうたっています。これらの詩は、草花の言葉をそのまま書きとどめたものにすぎません。
作曲家コメント 楽器のらっぱといえば大きな音を出すイメージですが、この詩の中のらっぱすいせんは音をすくい取って夕暮れには歌にしてしまいます。ゆったりとした曲想の中で、中間部に動きを持たせて広がりを表現しました。