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触れる

詩・尾崎まこと 曲・大澤弘之
歌・奥村哲 ピアノ・松永昌子

あなたの頬に
いま触れたのは
落ち葉ではない
そよ風ではない
雲間から洩れた
陽の光ではない
それは
あのひとのことば

ことばだけが
触れることができる
あなたという孤独に

あなたの胸に
いま触れたのは
花びらではない
ダイヤモンドではない
億年旅してきた
星の光ではない
それは
あのひとのことば

ことばだけが
触れることができる
あなたという孤独に

詩人コメント
コミュニケーションの道具としての言葉ではなく、心の奥深いところに届く詩のことば、愛のことばについて書きました。それは発語の時からずいぶんと遅れて、手紙のように配達されることもあります。

作曲家コメント
この詩にある「あのひとのことば」「あなたいう孤独」は読み手各々によって受け取り方が異なるのでしょう。それを私が「どう解釈するのか」ではなく、詩人の選んだ言葉をそのまま皆様に伝えたく思いました。

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