詩/池田もと子 曲/金井秋彦 歌/中川正崇 ピアノ/村上ひろみ
晩夏のベランダの まぶしい ひかりの中に 命を終えた蝉がひとつ がっちりとした体格のままで
ひろいあげればその軽さよ
声をかぎりに歌いつくし きめられた使命をはたして 空っぽになった身体
六本の足をきちんとたたんで まるで天を仰いで 祈っているように
詩人コメント 蝉の亡骸を拾い上げたとき、あまりの軽さに驚きました。
作曲家コメント 最終連の「天を仰いで祈っているように」…の表現に心惹かれました。この表現に象徴される詩の世界を可能な限り音楽で表現してみようと付曲を試みました。後奏最後のd音による低音3連打に、祈りの気持ちを込めました。