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矢田丘陵

詩/西田純 曲/北川文雄
歌/田中勉 ピアノ/高木洋子

ここで すきなだけ呼吸したい
水のように吸い上げて
木は すっかりかるくしてくれる
からだの奥底まで 
いつまでも のしかかっていた
にがいおもさは
葉っぱと 土の
やわらかいいのちのなかに とけこんで

金剛山寺に入ると どこまで行っても
あじさいの花が こちらを見ている
ひとつひとつが 星なのか
宇宙の目なのか
それとも
地蔵菩薩の分身が
花びらにのって
どこまでも 飛んでいくのだろうか

時間の層が
いくつも いくつも 横たわって
自分の時間も おり重なり
宙に うかんでいる

詩人コメント
 矢田には田畑と昔からの集落が広がり、その西側に、なだらかな里山(矢田丘陵)が続いている。ここを歩くのが、私はとても好きだ。矢田寺(矢田山 金剛山寺)には、地蔵菩薩と紫陽花が多い。(奈良県 大和郡山市)
作曲家コメント
 作曲にあたり矢田丘陵を訪れましたが、悠久の自然と時間を感じさせてくれる素敵な場所でした。三連構成の歌詩に基づき曲も大きく三つの部分からなり、それぞれに曲想の変化をつけました。

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