,

夢見草

詩・瑞木よう 曲・北川文雄
歌・坪田雪  ピアノ・田中紀子

病室の窓の外にも桜は咲いた
白く白く咲いた
震災の年にも桜は咲いた
焼け焦げた幹に 白く咲いた

明るい春の陽ざしが
耐えがたかった 
あの年の

花枝が揺れた
銀色のストレッチャーが廊下を走る
麻酔の底に落ちていく
目の裏で 白い花びらが 裏返る

目覚めの痛苦
黒い糸で綴られた 肌
血液は重く沈み
鈍い痛みを底に隠す

目覚めの夜に まだ桜が咲いている
夜に沈み ほの白く 桜舞い
ベッドの中で目を閉じると
懐かしい人達が桜の中にいる

夢見草・・・・桜の別名

詩人コメント
初めて手術を受けたときに書きました。軽い気持ちで受けましたが手術後のしんどいこと。衝撃が過去と重なりできました。

作曲家コメント
この作品は阪神・淡路大震災がテーマの一つとなっています。病室、手術室、手術直後の病室、夜の病室とシーンの変化を追いながら、語り等は用いず、言葉を旋律化しました。最後は夢を見ているような情景で終わります。

PAGE TOP