詩/井上一枝 曲/矢野正文 歌/奥村哲 ピアノ/園田文子
遠い日 立ちつくした 北の海辺は 荒波がくだけ 水面に海の路が 燃えていた 水平線まで 真っ赤にそめて
今 南の海辺は 凪いで やわらかな光が きらめき 入日が海の路を 明々とのばす
夕暮れに 二つの残照が わたしを誘う
紡いだ時間を 緩やかに解いて
詩人コメント 青春の蹉跌を癒してくれた北の海辺。最近、凪いだ旅先の入江で、二つの残照を懐いていました。
作曲家コメント 人が目の当たりにする事象は、その人が置かれている環境や年齢、そして時の精神状態などによって見え方、感じ方が 変わるものだと思います。この詩の二つの残照も、私なりのイメージで心の中に思い描き、作曲してみました。