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野萱草

詩・高橋暁子 曲・岡田正昭

【原詩】
小鳥がたねを
運んできたのか

いつのころからか
夏になると
だいだい色の野萱草が
庭先に 咲いている

一日に いちりん
朝から 夕べまで咲いて散る

わたしは 一日になんども
近寄って 語りかける

野萱草は
わたしのこころを
一瞬で
自然ゆたかな 野山に
連れていってくれる

広い広い空
その下の山並み
わたしの  心のふるさとへ

詩人コメント
信州の草原や山野に咲く野萱草は、控えめなオレンジ色をしています。我が庭に咲くようになって、花を見ていると、私の心は、自然の中で佇んでいるような気持ちになります。

作曲家コメント
ふと、庭先で見つけた野萱草。万葉で詠まれた忘れ草。恋の苦しさから逃れたいと願って詠まれたと言う。それは1日だけの美しさ。

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