詩・井上一枝 曲・南川弥生
【原詩】 あなたに呼ばれて 尾根を登る ふきだす汗を 谷風にあずけて どこまでも 青くすきとおった 空を見あげる
白雲が走り うす紅色に 谷間を染めて コマクサの花が ゆれている 砂礫をつかんで 細くしなやかな根が いのちをもやして たたずむ人を 待っている
また、会えてよかった あなたにささやく
夏色の山は 光あふれて はるかな宇宙が 広やかな宇宙が きらめきわたる
詩人コメント 高山帯の植物は、極寒の冬を生き抜き夏山で見事な花を咲かせます。その色合いの凛とした美しさに、何度出会っても心身を奪われます。
作曲家コメント あなたに会えて良かった…あなたとは、人物ではなく高山植物のことなのですね。空、山、植物、光などの言葉が宇宙(そら)へと私を誘ってくれます。
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