詩/柿本香苗 曲/和泉耕二 歌/田邉織恵 ピアノ/松永昌子
別ればっかりの 三月 桜なんか 美しい花だと 思わなかった 地面ばかり見つめていた 四月 満開の花の下を 自転車でかけぬけた ほこりっぽい桜色が きれいだなんて 思わなかった
別れが思い出になった ある日 たくさんの出会いのあとで じぶんの小ささを知って ふと見上げた目に 桜 はら はら はら わたしのために ないてくれた
また 春がくる わたしは 桜に会える日を まっている
詩人コメント 子どもの頃、何度も転校生になりました。おとずれた春はいつも一人でした。大人になってやっと桜が好きになりました。 作曲家コメント 長くつらい経験をしたこの少女が、やがて、ものや他人とのつながりを大切なものとして感じ取れるほどに心が深くなれたことに感動します。「ふと見上げた桜 わたしのためにないてくれた 桜に会える日を待っている」、実感なんでしょうね!