詩・中村多津子 曲・和泉耕二
【原詩】 ひたひたひた 小さな波が打ち寄せる
少年は ぎゅっと握っていたこぶしを 波の中で 静かに広げる
こぶしの中で 小さく固まっていた夢 今 大きく膨らんで 波とたわむれ はずみながら はるか彼方に泳いでいった
ひたひたひた 夢の行方を見ている少年の足に さわやかな音を響かせ 戻ってきた小さな波
海のかなたから 朝のひかりが 少年を照らしている
詩人コメント 海を見ていると、どんなことでも出来るような気がして、とても勇気が出てきます。
作曲家コメント 映画のワンシーンのような情景である。僕の場合、海や波ではなかったが、いつだったか同じような経験をしたような気がしている。予感とともに広がりはじめた少年の夢、いまはそれが懐かしい。