詩・野呂 昶 曲・大澤弘之
【原詩】 渓流の岩場のかげに 身をひそめて咲く イワカガミ 耳をすますと かすかな かすかな うた声 はじらいと ほほえみを たたえて
谷間にこだまする 沢鳴りのなかで そこだけ静かだ 聞こえないほどに かすかに 沢鳴りにとけいり いのちのうたが
詩人コメント 私は渓流の岩場に咲くイワカガミの花が好きで、いっ時余りもそこに座りこんで眺めています。すると、私のいのちと呼応するいのちのうたが聞こえてきました。
作曲家コメント 渓流の岩場にひっそり咲くイワカガミ(岩鏡)の花が、こんなに美しい詩になって表現されています。水の流れや谷間に響く沢鳴りとイワカガミの花が溶け合って美しい音楽となるよう願って作曲しました。